「無料」が引き起こす、価値判断のずれ
多くのWebサイトで見受けられる「無料」という言葉。
「無料で相談承ります。」「無料で見積りします。」
この言葉は、何も失うこともなく人々が安心して問い合わせできるように「間口を広げる」第一歩です。
とにかく、人を引き込まないと商売にならない。分かります、もちろん間違っていません。
では、今の時代「無料で…」が当たり前のようになったおかげで、何が起きているのか。
そうです、人々の「価値判断のずれ」が、想像以上に測れない状態になっています。
果たして、本当に「無料」なのか。
少し紐解くと、相談(問い合わせ)内容は、時にして商品・サービス開発のアイデアになっているわけですから、むしろ「買い取ってもらう」べきなのです。
<時にして=全てが当てはまるわけでは、ありませんよ!>
「無料で相談」が購買につながれば、相談サービスにかかった全ての費用は「実質目には見えないコスト」なので、購買で取り返せ!と考えれば良いのです。
90年代後半から、急増した「カスタマーサポート」部署と、本屋で並び始めた「クレーマー処理」の極意書。
購買者の「金銭を支払っている側が上にいる=お客様は神様」と勘違いしてしまう現象が、クレーマーという言葉を生み出したとも言えます。
「売るときは高く売り、買う時は安く買う」は至極当然であり、なんら問題はありません。
その果てに「無料」が武器となってしまい、自らの価値を下げてしまう結果をもたらしてしまいました。
価値を下げている例が、お問合せの際の「所作も知らないメール内容」です。
皆様も経験があるかと思いますが、とにかく文章の書き方という基本だけでなく、「人に尋ねる所作」がないのが当たり前になってきました。
モーハチでも展開する「割引」サービスは、無料とは異なり「売り手の努力」です。(全ては当てはまらないと思いますが…。)
無料は、ゼロ=何もない…、これでは「サービス価値はどこにあるのか」が明確ではありません。
パソコンのサポートサービスは、本業にはできない
皆様も、「あ~、パソコン操作分からない!」っと、頭を悩ませたことはありますよね?
そして、「パソコンのお悩み、無料で解決します!」といった広告を見かけるかと思います。
大手は、この手のサービスは「補助」であり、顧客獲得の窓口にしています。つまりこのサービスにコストがかかっても、別の本業で稼ぐ「道筋」ができているからです。
私自身、長年経験してきた「どのパソコンを買えばいい?」という何気ない悩みへ対応してきました。
聞く側にとっては、「情報を収集しているだけ」ですが…、提供する側は「その人にとって最適なものは何か」と知恵と知識と分析を行います。
今では、パソコンで何か問題が起きれば、検索するわけですが…、慣れない人にとってはちんぷんかんぷんです。
そこに金銭が発生すれば、「修理するためにかかった(負の)コスト」と感じることがあります。
ユーザーの知識の質量によって、それぞれに異なる価値が加わると、パソコンのサポートは「副業」であれば展開可能ですが、主にはしづらいサービスなのです。
ここで考えるべきは、知恵と知識と分析能力の価値が「崩壊している」という現状です。
料金を払っているものが低価値で、料金を払っていないものが高価値という逆転現象
さて…、ここまで読むと「そんなの、人それぞれの捉え方の違いじゃない?」と頭に浮かんでいるのではないでしょうか。
そうです!その頭に浮かんできた言葉こそ、その人たちの価値判断の基礎となる基準であり、この基準が測りづらくなってしまっているために、人の行動をやたら計測するようになりました。
これが、「トラッキング」の最初の第一歩なのです。
日本では規制が低いためにあまり見受けしませんが、EUではほぼ全てのWebサイトに「クッキー」に関する警告が表示されます。(必須です)
クッキーに関する説明は割愛しますが、この警告は「あなたが閲覧した行動を匿名データとして取りますよ。こちらが選んだ広告を表示しますよ。」という内容です。
中にはちゃんと「全て拒否できる」ものはありますが、全てを拒否できないよう小難しくしているサイトが乱立しています。
このような規制や、クッキーの取り扱い、トラッキングへの取り組みは、顧客の価値基準が読み取りずなってしまったことに起因します。
対面販売であれば、お客様の顔をみて、コミュニケーションを取りながら色んな「感性」が磨かれてきました。
そんな「肌感覚で感じるもの」が薄くなった以上、料金では測りきれない「大切な価値」は取りこぼされてしまっているように感じます。
まさに、この取りこぼしが、価値の逆転現象を生み出しているのです。
「100均」が創り出す、次の時代の価値を考える
今の時代、形ある商品の価値は「100均」にあると考えます。
ひと昔前に「こんなものが100円???」「100均に、こんなものまでも売っているよ」と、多くのメーカー・卸を驚かしました。
そんな時代を経て、多く企業が「100均」企業に群がるようになりました。
さて、皆様はご自身の商品・サービスが100均に並んだ時、本当に100円で売れるでしょうか。
「ワンコイン」という顧客にとってシンプルかつ明快な「金銭基準」から、今一度皆様の商品・サービスを見つめなおし+続けていかなければなりまん!
皆様のWebライフが、より美しいものになることを願い…。
##マイメモ
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